障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2018年10月11月369号巻頭文

第13回障害児の高校進学を実現する全国交流集会inあいち 開催お礼

障害児の高校進学を実現する全国交流集会inあいち実行委員会事務局長 川本道代

9月15・16日、愛知県刈谷市において、『第13回障害児の高校進学を実現する全国交流集会in あいち』を無事に開催させていただきました。

北は北海道から南は沖縄まで、地元愛知からの125名含め24都道府県252名、当日のボランティアさんなど含めると270名を超える集いとなりましたこと、ご報告とお礼を申し上げます。

障害のある子の高校進学は都道府県によりかなりの差があります。教育委員会の考え方、その教育委員会の姿勢を追及してきた地元団体、高校を目指す障害のある子どもたち、取り組みの年数など地域の状況によって本当に様々です。

どのような障害でも推薦で合格・定員内全員入学の地域がある一方で、障害に応じた配慮さえ認めない、どれだけ定員に空きがあっても不合格にする地域もあり、厳しい状況でも何年も浪人しながら高校を目指している方がいます。

それでも来春、全国で「障害」のある子は高校へ向かいます。

実行委員会では、あいち集会のテーマに「希望者全入」を念頭に置きました。

『いっしょに行こまい! 高校も! ~様々な「障害」のある子・社会的「排除」にあう子の進学希望をかなえるために~』

このタイトルと第4分科会『「障害児だけではない」高校にいけないこどもたち』を決めるまで、実行委員の中でもいろいろな意見が出ました。「希望者全入」はそうあるべきだと了承を得られたのですが「分科会」としては報告者含め大丈夫なのか、今後対応できるのかなど心配の声も多くありました。「障害」をどう捉えるのか…という話し合いもありました。一つの会で全ては網羅できなくとも、横のつながりで連携をしていくことで、間口を広げることができます。

高校進学へ何らかの困難を強いられる子どもは、身体や知的など「障害」のある子ども、それらの「障害」ではないが貧困や虐待、外国人、非行等の子どもがいることを確認し、全ての子どもの「高校進学希望の実現」を求めることとなりました。愛知では、不登校の子どもへのサポート、経済的に厳しい家庭の子どもへの給付サポート、学習サポート、高校に入学した日本語が話せない生徒へ支援員配置など、県教委から回答を受けました。それぞれサポート体制ありますが窓口が一つではなく、保護者が情報を求め手続きをしなければ子どもへのサポートにはつながってはいません。

保護者から離れざるを得ない子どもは、それらの情報を得て高校進学を目指すには厳しい現状があります。「障害」のある子の困難とはまた違った障壁があり、いずれも高校進学では結果として「排除」されてしまっているのが現状です。

愛知では、今春の入試で定員内不合格は、障害のある生徒がたった一人だけでした。10年前は三桁の不合格者が出ていたので「一人」に減ったとみれば改善されたとも取れますが、障害のある生徒が愛知で高校から排除されたことは許されるものではありません。また違う見方をすれば中学の進路指導で「高校受験」さえさせてもらえない、高校を諦めさせられている子どもがいることも推察されます。

このあいち集会を経て「適格者主義」は子どもへの差別、定員内不合格は子どもの人権の問題であること認識し「いつでも、どこでも、誰でも学べる」高校の実現を全国の皆さんと共に目指したいと思います。

分科会は会場の時間的な制約があり15日2時間少し、16日1時間少しと、タイトな設定となり参加いただいた皆さまが十分話し合うとまではいきませんでした。その状況の中で、司会の方をはじめ分科会に参加くださった皆様のおかげで、中身の濃い分科会となりました。ありがとうございました。

なお、高校集会で皆様にご協力いただいたゆめ風への義援金は76、249円でした。こちらもありがとうございました。

地元開催させていただいた愛知では、様々な障害・困難のある子の高校進学の種まきができました。高校へ行きたい子どもの思いを伝え続けながら、次の高校全国集会開催地ではうれしい報告を持って皆様と再会したいと思います。    (愛知県 会員)

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

●巻頭 第13回障害児の高校進学を実現する全国交流集会inあいち 開催お礼/第13回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会inあいち 分科会報告 第1分科会・第2分科会・第3分科会・第1分科会感想 /投稿 就学通知は「学校はあなたを待っています。いっしょに学びましょう!」というメッセージ/「インクルーシヴ教育を求める川崎裁判」を傍聴して/投稿 娘が養護学校に行かないわけは/「北村語録」を集め、本を作りたいね!/●新聞報道から「難病児養護学校が合う」教育委員辞職/●相談からコーナー ソーシャルスキルトレーニングを受けるように言われているのですが/各地の集会・相談案内/運営委員会こぼれ話 その23/第43回雑居まつり参加報告/事務局から/第2回裁判です。傍聴をお願いします/