障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2013年11月 319号巻頭文

「障害児を普通学校へ・全国連絡会
第16回全国交流集会inFUKUOKA」を終えて

福岡地元実行委員会  野田 利郎

「おもしろそうやん!?」と一言言ったばかりに、福岡での大会を引き受けることになり、1年間の実行委員会の準備期間(2回のプレ学習会と毎月1回の実行委員会)を経て、先日10月12日(土)、13日(日)の1泊2日で、福岡リーセントホテルで福岡の大会を終えました。参加者ですが、受付の係が苦労して名簿を作った結果、細かなトラブルはありましたが、ほぼ正確な受付ができました。受付実人数は、29都道府県から270人でした。参加数は、一日目220人、二日目180人でした。地元福岡は100人以上の参加でした。

始めの全体会〈10月12日(土)〉

「やっぱ、わけんで一緒がよかやん!」というテーマで、あいさつ、福岡の取り組み状況、差別解消法について(大谷恭子:全国連世話人・弁護士)、一人芝居「もも子」(福永宅司:子どもの学び館代表取締役)の開幕行事を行いました。特に大谷さんの話は、30分という制限時間で、息つく間もなく差別解消法について話され、第5分科会に引き継がれることになりました。

この全体会の中心は福永さんの数ある演目の中から一人芝居「もも子」でした。障害を持ち養護学校へ通う主人公のもも子が兄の力(りき)の学校へ交流学級としていけるようになり物語が始まりました。それを必死で支える兄、優しく包み込む両親、はじめはいじめていたいたリュウジが徐々に変わり、もも子の味方になる展開でした。福永さんの優しい語りと動作と、人権をテーマにした内容で、いつものように「涙あり笑いあり」の公演となりました。1時間の公演時間がとても短く感じました。好評をよんだ公演でした。

夜の交流会

同じ会場の福岡リーセントで始まった交流会は、今回は、今までの大会の立食バイキング方式と違い、テーブルについての食事でした。とにかく、今までの伝統(?)である「あっという間になくなる料理」の状態は避けたいと思い、テーブル方式にしました。また、酒と魚が美味しい福岡で、「酒がない」という状態も避けたいと思い、九州の美味しい焼酎を隠し玉で準備しました。

唯一準備していた出し物をして、その後、各地の皆さんに適当に演台に上がっていただいた。唯一準備していた出し物は、吉田大作さん(セミプロの落語家、北九州聴覚特別支援学校教師)とお友達2名によるMr.マリックの珍マジックでした。これもまた、静かに見入る人が多く、好評だったと思います。

その後は、来年度高校の集会を開催する北海道からのアピール、県教育委員会より高校での実習打ち切りをされた神奈川からのアピール等が続きました。料理がなくなり酒が進まなくなってきた頃、最後は、全国連の運営委員と世話人の紹介と地元実行委員会の紹介で終わりました。全く筋書きのないいい加減な交流会(?)が、とても盛り上がり、何とちょうど2時間で終わりました。

5つの分科会

肝心の分科会については、実は他の業務が気になり全く参加できませんでした。会場の参加具合いや運営状況を確認のために数回のぞいただけでしたので、全く分かりませんでした。ですから内容に関しては、この後の分科会報告にお任せしたいと思います。

今回の分科会は、これまでの大会を継承しながら、参加者数や会場の広さを考慮し、第1分科会は就学前、第2分科会は小・中学校、第3分科会は高校・大学、第4分科会は卒後の就労・暮らし、第5分科会は制度・政策で行いました。また各分科会の報告は大会の両日で4時間しか取れないのが分かっていながら、「地元で頑張っている様々な取り組みを聞いてほしい」という思いから、若干窮屈なのを覚悟で地元報告2本、全国(全国連)報告1本を原則としました。

地元の報告は、様々な立場の人から報告をしていただいた。熊本県からは2本も報告をしていただいた。結果オーライ( !?)でしたが、報告を通じて一つの方向性を示すことは難しかったと思いますが、福岡県や熊本県での様々な頑張っている仲間の共生共育の活動を報告できたと思います。

運営面で、まず分科会が始まり、「マイクが使えない。マイクが足らない」などの声が出て、あたふたとしました。視聴覚機器の準備ばかりに気をとられて、全くマイクのことは忘れていました。実行委員会の不注意で貴重な分科会の時間が短くなったことをお詫びいたします。分科会の参加状況ですが、第5分科会が、大谷さんの全体会の続きの報告ということで、参加者が多くなり、第1、2分科会あたりが少なくなるのでないかと懸念されましたが、予想に反して参加者の偏りがなく、どの分科会もほぼいっぱいの状況でした。

両日で4時間の分科会に、窮屈を覚悟で3本の報告を行いました。報告にばかり時間をとられて、論議や意見交換、さらに各地の活動の情報交換等が十分できなかっただろうと思います。

終わりの全体会

二日目は、分科会後に終わりの全体会を行いました。全体会ですべての分科会からコーディネーター(全国連の各地の世話人等)に口頭での報告をしていただき、最後に佐野公保さん(全国連事務局長)からまとめをしていただき、全日程を終了しました。

各分科会が遅れることなく終了してくれるか心配しましたが、早めに終わり、全体会会場を作り、ほぼ定刻に始めることができました。終わりの全体会ということで参加者が減るだろうと心配しましたが、ほぼ会場がいっぱいになりました。それにしても、やはり見通しが甘く、結局終了時間が15分ほど延びてしまいました。それは、一日目についても言えることですが、始めの全体会に時間がかかり、分科会を20分延ばし、交流会の開始時間を30分遅くしました。その原因は、全体会の内容が欲張りすぎて盛りだくさんだったことが大きな原因だと思います。

「おもしろそうやん!?」と思って引き受けた大会でしたが、「やっぱ、わけんで一緒がよかやん」というテーマを福岡の地から全国へ発信し、これからの運動や実践の風を吹かせるための新たな活力をもたらした大会となったと思います。参加してくださった全国の皆さん、福岡の皆さん、実行委員、ボランティア等の皆さんに感謝、感謝です。

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2013年11月319号目次
・巻頭 
  「障害児を普通学校へ・全国連絡会 第16回全国交流集会inFUKUOKA」を終えて
・小さな一歩を確かな一歩に  学校教育法施行令「改正」後の就学運動
・障害のある児童が移動教室に参加できなかったことに関する抗議
・パンフレット「インクル共ちゃんⅡ」ができました
・第16回全国交流集会・分科会報告
・シリーズ憲法改悪5「新しい人権」の正体
・小さな一歩だが、あきらめないで
・全国連・初の連載小説! 第13回『ただやみくもな、わけではない』
・「相談から」コーナー  就学時健康診断( 就健) を断るにはどうしたらよいでしょう
・地域通信   特別支援教育就学奨励費辞退させていただきます!
・全国一斉障害児の就学相談
・ホットライン 2013年2回目11月
・事務局から
・事務局カレンダー 11月・12月