いくつもの健診や相談支援によって、「適切な支援」という名目で子どもたちがふり分けられていきます。
市町村によって多少の違いがありますが、新生児 1ヵ月児 1才半児 3才児 5才児などに行われます。
・子どもの健康診査と同時に障害の発見が目的となっています。
・年齢により違いがありますが、一般健診と精密健診があります。
・障害が発見されると相談機関を勧められます。障害のある子を選び出す体制(スクリーニング)の整備も目的です。
子ども家庭支援センターなどが窓口となり子育て支援 心理発達相談教育相談が紹介されます。子どもの状態によっては専門医のいる病院も紹介されます。
・相談員や医師たちは、障害の克服にむけての治療や訓練を進め、普通の子 と分けられた場である通園施設や訓練施設に振分けます。幼稚園や保育園は選択肢のなかにありません。
・このスクリーニング体制は、母子保健法や発達障害支援法ができてから強化されています。そのため、親たちは就学前から特別支援学級や学校を望むように仕向けられていきます。
・「障害があって学校どうしよう」と心配されている方や保育園や療育センターなどで勧められた方、そして就学時健診でチェックされた方たちが対象になっています。
・相談といっていますが「その子に合った教育」として、特別支援学級や学校を強く勧められます。
・小学校入学の前年の秋に行われる健康診断です。
・入学後の指導のためとしていますが、この健診の目的は「障害のある子」を見つけることにあります。
・障害があるとわかると、就学相談が勧められます。
共に生きる社会は 共に学ぶ教室から生まれます
・「私たちぬきに私たちのこと決めないで!」これは障害者の方々が分けられずに一般社会の中で生きていきたいという願いをこめて、1980年代から世界中で主張してきた言葉です。これを合言葉に2006 年に世界中の障害当事者が参加して国連で採択されたのが「障害者権利条約」です。世界中の国々が次々に批准(条約に書かれたことを守るという約束)しています。2014年1月には日本政府も批准しました。
・障害者権利条約にインクルーシブ教育がうたわれています。障害によって分け隔てられることなくどの子も共に学び育つ教育です。そのために障害による困難を取り除くための支援を合理的配慮といいます。保育や教育の場でもこの合理的配慮を提供することになっています。施設設備をバリアフリーにしたり、支援員をつけたり、教具や教材に工夫をしたりすることが要求できます。
・日本の教育は障害があると分ける教育が主流でしたが、障害者権利条約の批准によって、障害者基本法・障害者自立支援法・障害者差別解消法・学校教育法施行令改正など、共生社会を作る方向で整備されてきています。
・2016年7月に起きた「やまゆり園事件で」19人もの障害者が殺されました。忘れてはならないことです。私たちは、 障害によって学校が分けられてきたことがこの事件の元にあると考えています。
・東北や熊本の地震の際に、地域の学校へ行って、地域で暮らしている障害児や障害者は避難所でも一緒に暮らすことが出来たと言われています。
・「いじめ」を理由に分けることは、あってはならないことです。「いじめ」を予防することは、行政や学校の責務となっています。
○ 幼稚園や保育園への就園希望をはっきりと伝えましょう。
○ 就学時健診を受けなくても普通学級に就学できます。法律にしたがって、就学通知は必ずきます。
○ 就学相談や学校などとの話し合いでは、「普通学級に行きます」とはっきり気持ちを伝えましょう。
※障害者基本法 第16条「教育」は、「可能な限り障害のある子どもとない子どもが共に教育を受けられるように配慮し」、
またそのために「障害のある子どもの保護者に対し十分な情報を提供し、可能な限りその意向を尊重しなければならない」
〇 必要な支援もしっかりと要求しましょう。学校は合理的配慮をすることになっています。
※障害者差別解消法 第7条 学校は必要かつ合理的な配慮をしなければならない