障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2014年8号 327号巻頭文

どうぞ! 北海道で待っています

第11回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会in北海道実行委員会

 2年に一度開催されている「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会を、2012年の埼玉に続き、今年2014年に北海道で開催することになり、いよいよあと1カ月と迫ってきました。

 日本の学校教育では、「共に生きる」ことが大切と言われながらも、「障害児教育は分離を原則」とする別学体制が続いてきました。特に、2007年に特別支援教育が本格実施されてからは、「個別のニーズに対応する」として、特別支援学校・学級に在籍する子どもたちがかつてないほどに増え続けています。このような状況でも、全国各地では、「障害」当事者・子どもたち、親や共に生きようとする人々が、「みんなと一緒に」という願いを実現するために、厳しい状況を変えようと声を上げ続けています。

そうした中にあっても、普通高校には「入学するにはそれ相応の能力が必要である」という適格者主義が根強く、「公正を欠く」などという理由で、「障害」のある子どもたちの普通高校進学はいまだ厚い壁が大きく立ちはだかっています。

日本は今年1月、「障害」による差別を禁止し、ともに生きる社会をめざす「国連障害者権利条約」を批准し、これを守ることになりました。条約は「障害」があってもなくても「同じ場でともに学ぶ」インクルーシブ教育を行うこと、必要に応じて合理的配慮が行われると定められました。

 私たちは、「障害」のある子が希望する地域の高校で学べるように、「障害」による差別に反対し、「同じ場でともに学ぶ」インクルーシブ教育を求めて運動をすすめています。本集会のシンポジウムでは、全国各地からの高校進学の粘り強いとりくみの報告があります。高校という選択肢があると気づかないできている人々に聞いてほしいと思っています。分科会では、現役の中学生、高校生、大学生が、夢や希望や課題を自分の言葉で報告します。また、障害当事者であり保護者でもある方の報告では、子どもたちも発言をしようととりくんでいます。集会を成功させるための様々なとりくみは、困難なことも多々ありますが、その中でいろいろな出会いもあり、やりがいを感じています。

 私たちは当事者とともに実行委員会を12回行い、あと2回を残すこととなりました。当日は人気グループのコンサートと重なり、宿泊場所や航空チケットがとりにくいなど困難なことが発生しております。皆様には何とか工夫をしていただき、一人でも多くの方に参加していただきたいと、願っています。経験や思いを話し合い、知恵を集めて「障害」のある子の高校進学を実現させたいと願い、全国の皆さんへ参加を呼びかけます。美味しい味覚と涼しい大地で熱くお待ちしています。どうぞ秋の北海道へ!

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2014年8月327号目次
巻頭 どうぞ! 北海道で待っています
・林京香さんへのミキサー食提供が実現しました!
・さいばん、マル ~野田事件・青山正さんの再審無罪を求めて
・「高校へ行こう!全国リレートーク」飛び入り発言 大歓迎!!
・つきそいなくそうNEWS vol.2
・「被災地障がい者センター宮城」の活動から見えてきたもの
・第8回卒後を考える ー全国交流集会㏌静岡 開催報告
・シリーズ憲法改悪13 戦争放棄条項の生まれた事情
・「おしえてね、スキー合宿」への連絡
・相談からコーナー『通知表の評価について』
・事務局から
・事務局カレンダー