障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2012年11月 309号巻頭文

第10回「障害児」の高校進学を実現する
  全国交流集会 in SAITAMA 報告

どの子も地域の公立高校へ埼玉県代表 齋藤 尚子

 『第10回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会 in SAITAMA』が10月6日(土)・7日(日)、武蔵嵐山にある国立女性教育会館で開催されました。埼玉県民にもあまり馴染みのうすいこの場所に全国から北は北海道、南は熊本からの、参加者244名という盛会で終わることができました。心より感謝申し上げたいと思います。

 参加申込みの受付けが始まった当初は申込みが少なくて、心配しましたが全国からたくさんの方が参加され、障害児・者の高校進学に対する関心の強さを感じました。2日間、全体会や分科会、夕食会、交流会では、共に学んだり暮らしたりの情報交換をしたり、高校で学ぶことの意味や地域で共に生きていくことなどについて議論し、これからの高校入学に対する課題など模索できたことはたいへん有意義であったと思います。
 地元埼玉からは120名あまりの人達が参加しました。会議への参加者としてだけではなく、障害者団体や教職員組合などからスタッフとして参加し、準備も含めてそれぞれのみなさんの力を結集して運営がスムーズにいくよう協力していただきました。

 埼玉自立生活協会の巡業団(川口ねこの手・新座ふらっと・大宮バリアフリー研究会・わらじの会)からのメンバーで構成された劇「山にこもりましょう」を熱演しました。この話はかつて私の息子と山田さんの葉子ちゃんの高校受験を思い起こさせるものでした。同時に受験し、葉子ちゃんは浦和一女の定時制、私の息子は大宮商業定時制の普通科。葉子ちゃんは3浪のすえ合格、私の息子はすでに浪人していたので5度目の受験で合格。しかしながら家庭の事情から長野県へ引っ越してしまいました。
 そして今回、就学前や現在小中高校に通っている埼玉の親子のみなさんも都合をつけて参加してくださいました。

 分科会では、第一分科会『高校ってなんだ』コーデイネーター(門平公夫)、第二分科会『高校生活を楽しもう』コーデイネーター(北村小夜)、第三分科会『高校からつながる社会』コーデイネーター(山下浩志)、第四分科会『制度と改革』「やっぱり高校へ」コーデイネーター(山田真)。分科会のテーマにとらわれずに幅広い議論がなされたようです。
 第四分科会では、私はレポーターだったので、題は「彼の卒業」で発表しました。私のレポートに書いた内容のなかにもあることですが「生活進級」なるものです。息子は卒業できたけれども「生活進級」があり、存在している。不可思議なものでした。山田真さんが自身の娘さん梅村涼さんのことを話され、彼女こそが「生活進級」であったとおっしゃっていました。他にも大阪、兵庫でもあった話を聞いてずいぶん前からあったことなんだと知りました。

 2日目の午後のオプション、丸木美術館見学「原爆の図」にも40名近くの参加者があり、原爆、原発に思いをあらたにしていただけたと思います。

 最後に、名刺広告やカンパにご協力いただき、資金面からもご支援くださった皆様に心よりお礼申し上げます。後日、報告集をお届けする予定です。今後の取り組みの参考としていただければ幸いです。
 ありがとうございました。

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2012年11月309号目次
巻頭 第10回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会inSAITAMA 報告
平成25年度文科省概算要求について
~ 親の付き添いなしで京都・奈良へ ~
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